勝海舟を艦長とする江戸幕府の軍艦「咸臨丸」が日米修好通商条約を批准するためサンフランシスコに向けて出航したのが１８６０年のきょうのこと。治外法権を認め、関税自主権を持たないという日本に不利な内容で、同様な条約はオランダ、ロシア、英国、フランスとも結ばれた。これは新政府に引き継がれ、改正に向けて長い年月が費やされたのは教科書で学んだ通り▼日中韓や東南アジア諸国など１５カ国による地域包括的経済連携（ＲＣＥＰ）が今月発効した。批准が済んだ国から先行して関税が撤廃・削減される。日本にとって中国、韓国と初めて結ぶ自由貿易協定であり、域内における貿易・投資促進が期待されるところだ▼北京冬季五輪の開幕まで３週間に迫った。昨年の東京に続くコロナ禍での開催に、現地では感染対策に万全を期し成功に導く強い意志を示す。人権問題などを理由に日本も政府関係者の派遣見送りを決め米国や英国などと足並みを揃えるが、ここには米中対立の現実が複雑に絡み合う▼化学各社トップの年頭あいさつではカーボンニュートラルという言葉が飛び交った。社会と環境に貢献する企業を目指すとの方向性は一致している。地球規模での課題に立ち向かうには世界が同じ方向を向いて協力していくしかない。だが、妥協点を見つけるのは難しい。（２２・１・１３）
食品値上げ「第三波」
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