新しいランニングシューズを買った。普段履きと兼用ではなく、ただ走るための靴を買うのはいつ以来だろうか。記憶にないほど久しぶりだ。今度の週末あたり、靴紐をキチンと通して投入してみよう▼若い頃はよくジョギングをした。しかし50歳になった頃からウォーキングに切り替えた。もう年だから無理は良くない、あるいは足首や膝を痛めたくないといった言い訳を盾に、楽な方に流れた。長距離を走れなくても、生活には支障ない▼しかし、である。長距離でなく、ほんの短い距離でも全力で走れない自分が気になっていた。30メートルでさえ怖くて全力では走れない。そこにきて、夏場のゴルフで体力を激しく消耗するようになった。これはいけない▼よし、ジョギングを再開しよう。近所の公園には1周ちょうど2キロの舗装路がある。昔は3周は走っていた。ここを歩かずに2周合計4キロ走り切れたら、新しいランニングシューズを買おう▼1日目は1周の半分も走れなかった。暑い時期に走ることにしたことを後悔した。2日目、また1周もできず断念。3日目、なんとか1周できた。4日目にようやく2周4キロを走り切った。毎回試した短距離のスプリントも、4日目には100メートル程を全力で走れた。人の体の順応性の高さに関心しつつ、痛い足をさすった。(21・7・20)

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