昨年の5月1日は元号が令和に変わった最初の日だった。ゴールデンウイーク(GW)は10連休となり、観光需要は絶好調。JTB調査による2019年のGW動向(見通し)は、総旅行人数が2467万人と過去最高、総旅行消費額は1兆610億円。長期の休みになったことで海外旅行が高い伸びを示した▼今年のGWは新型コロナウイルス感染拡大防止に向け、外出・移動の自粛要請により何から何まで異例づくしとなるだろう。GWスタートの先週末、ターミナル駅は帰省ラッシュで混み合うこともなかった。政府が「オンライン帰省」を呼びかけた効果が表れたのか▼近場の観光もままならず、映画、演劇、音楽といった公演は中止に追い込まれている。家での娯楽は配信動画に頼るしかないか。米ネットフリックスの3月末時点の有料会員は全世界で1・8億人。昨年末に比べて約1500万人も増えたという▼もとより医療現場はGWなど関係ない。人手不足で長時間労働を余儀なくされ、マスク、防護服など必要な物資も不足している。毎日発表される感染者の数が減っていくことを祈るばかりだ▼あす2日から5連休。予定していた計画がなくなり、何をしていいか分からない人も多いだろう。時間を気にしないで過ごすことが贅沢なのか苦痛なのか分からなくなってきた。(20・5・1)

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