シンガポールには日本から進出した店舗が多い。古くからある高島屋、明治屋のほか、ユニクロ、吉野家、無印、東急ハンズもある。ドン・キホーテはドンドンドンキとして生鮮食品も取り扱っている▼一番よくみるのは100円ショップのダイソーだろうか。国内に28店舗あるという。こちらでは1品2ドルで販売している。足元の為替レートだと200円近くなる。それでも、こちらの相場からすると安い。無駄に高いものを買わないように、必要なものがあるとまずダイソーに行くことにしている▼そのダイソーが今月1日から値上げした。インフレが急速に進行しているためだ。直近の統計となる今年3月の消費者物価指数は106・7と、前年同月に比べ5・4%も上昇した。そこでダイソーは、これまで価格に含めてきた7%の消費税を別途徴収することにした▼価格が改定されてから初めてダイソーで買い物をした。ついこれまで通りの計算でお金を渡しても精算が進まない。「失礼、インフレで値上げしたんでしたね」というと、店員は決然とした態度でこちらを見つめ、「そうなんですよ!」といって、値上げの告知を指さした。日本の感覚だと、お詫びめいた言葉を返してしまいそうだが、何も謝るようなことはしていない。なんだか、すがすがしい思いがした。(22・5・19)

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