歳をとるにつれて健康維持・増進と銘打ったテレビ番組をよく観るようになった。なかでも肩こり解消の企画は心が躍る。ただ、番組によって少しずつ解消法も異なるが、肩甲骨がポイントだという点ではほぼ一致する。肩甲骨とつながった筋肉をほぐし、肩甲骨の動きをよくすることが肩こり解消につながる▼「病膏肓に入る」とは、手が届かないところに痛みがあるため治療のしようがないこと、また趣味や道楽に熱中しすぎて手がつけられなくなること。その膏肓は肩甲骨の内側にある万能のツボで、深いところにあるのでマッサージでは届きにくい。番組が紹介したストレッチを試し、ある程度の効果を確証するも、これまた日課となるには至らない▼毎年のように増える人間ドックの指導項目。歳を重ねて仕方ないと思うが半面、食生活を改め、規則正しく、適度な運動を心掛ければ改善の余地ありと自分に言い聞かせる。そして特段の努力もしないまま次の年の健診を迎える。来年こそはと、また繰り返す▼ここは不断の決意で大改造が必要だが、それに向けて単年度計画を立てるか、それとも人生100年時代を見据えた長期ビジョンが先か。長年蓄積した不具合の解消は一朝一夕ではなし得ず、根気よく続けるしかない。何事も信念なくして成り立たないことを思い知る。(21・4・15)

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