生きるというのはとても困難だ。ただし困難に苦しみ、負けてしまうことは恥ではない。むしろ、簡単に勝てると思う方が間違いなのだ。自分の不器用さ、無能さゆえに生きるのが困難だと気付くこと。そうすれば、誰か器用な人、有能な人に教えを乞い、手助けしてもらうことで乗り越えられる▼それは、自分を否定するということではない。学習するということだ。自分の知らない知恵、自分より良い解決策を持つ他人を素直に受け容れる。そうすれば、結果として自分も新たな能力を身に付け、成長することができる。あるいはそれを自分なりにアレンジすることで、さらによい解決策にたどり着くかも知れない▼そんな風に考えて生きてきたのだが、どうも最近は具合が悪い。パソコンやスマートフォンの設定やトラブルにうまく対応できず、担当部署に相談することが増えた。手助けしてもらっても、全く学習にならない。何を言っているのか分からないからだ。無知にも程がある。担当者の心の声が聞こえてくるようで心苦しい▼ITリテラシーの低い上司が会社を停滞させる。最近、雑誌でよく見かけるそんな意味のタイトルが心に突き刺さる。単なる道具と思っていたパソコンが仕事の本質を左右する時代。この困難をどう乗り越えようか。そうだ、スマホに聞いてみよう。(22・1・25)

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