日本には周囲が100メートル以上ある離島が約6800あり、小さなものまで入れると数万あるといわれる。これらの中には四方を海に囲まれた島国日本を形づくる約500の国境離島がある。領海や排他的経済水域(EEZ)の基点となる島々であり、漁業や海洋調査などの活動を行う拠点としても重要な機能を担っている▼全国にある国境離島のうち、少なくとも2島について消失した可能性があると先週、あるメディアが報じた。いずれも北海道にある離島で、1つは2018年の北海道地震による地形変化で海中に沈んだ可能性があり、もう1つは対岸の陸地で護岸を築いた時に島が組み込まれたとみられている▼昨年末時点で8島の存在が確認できていないという。地震によって誕生する島もあれば、消滅する島もある。だが、これが国境離島の場合だと領海範囲に影響を及ぼす可能性もあるだけに、自然現象だからと割り切れないものがある▼東日本大震災からもうすぐ10年だが、今月13日午後11時過ぎに最大震度6強を記録した福島沖地震はその余震だった。震災は甚大な被害をもたらし、多くの人がこれまで復興に尽力してきた。だが、余波はまだ続いている。地震列島日本。いろいろな試練と共存しなくてはいけない。それを乗り越える力も学び続けなければならない。(21・2・25)

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