人は本来、変化を嫌う生き物のようだ。ホメオスタシスという、外部の環境に関わらず一定の状態に保とうとする調節機能が働くためらしい。ダイエットしようとしても体重が減りにくいのは、生物学的にホメオスタシスが働くからだ。心理学的にもホメオスタシスは働く。一念発起し、明日から毎日朝6時に起きてジョギングしようと思っても続かなかったり▼脳にはこれまでの安定した状態が快適な情報としてインプットされ、それを書き換えようとするとストレスとなり、結果として変化を恐れるようになる。しかし逆に変わらざるを得ない環境が続くと、脳の情報が嫌でも書き換えられ、変化は恐れるものではなくなる▼「苦労は買ってでもしろ」という言葉がある。自分が嫌だと思う方を敢えて選び挑戦し続けることで、ホメオスタシスが解除され、結果として自分や周りも成長させてくれるということなのだろう▼「近頃の若い奴は・・・」といった年配者の若者に対する愚痴は今に始まったことではなく、ピラミッドにも書いてあるらしい。いつの世も年配者は世代が大きく離れている若者の行動や考え方を受け入れにくいようだ。若者の挑戦を心から応援し、自分自身も変化に挑戦し続けなければなるまい。コロナは大きな変化を余儀なくされる良いチャンスだ。(20・6・29)

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