埼玉県の南東部に暮らしている。東京に隣接した人口20万半ばの都市。いま、近くで都市ガス敷設の工事が進んでいる。何年も前から工事が行われ、すこしずつ敷設地域が拡大してきている▼都市ガスにしませんか、というチラシがよく郵便受けに入っていた。ガス会社のスタッフがインターフォン越しに、説明させてくださいと各戸を訪問していたのも知っている。わが家のある一角は、いまのところまだ半分も都市ガス化されていないが、各家庭が都市ガス化に踏み切らない理由は、ガス管引き込み費用がけっこう高いことだろう▼災害時に復旧まで時間がかかるということも考慮されているかもしれない。ただ、ガス代はプロパンガスに比べてリーズナブルである。配送コストが上乗せされないということもある。プロパンガスでは必要なボンベ設置スペースが不要というメリットもある▼隣もお向かいもガス管を引いたのに、自分の家だけがプロパンのまま、というのも、世間体みたいなのがあって難しいかもしれない。けっきょく、風に流されて都市ガスを選ぶという家庭もあるだろう▼ガスをどちらにするか。簡単には決められない問題なのだが、そこにさらに選択肢が加わる。ガスを使わないオール電化である。かくいうわが家、これでガスをやめて約二十年である。(21・6・9)

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