もうあと1カ月で2020年が終わる。明日からいよいよ師走。通勤するサラリーマンやOLの服装も冬の装いになりつつあり、街ではクリスマスのイルミネーションも始まり、あちらこちらで年末ムードを感じることができる▼師走といえば忘年会。去年までは連日のように続き、飲めないアルコールを飲む機会が多かったが、今年は様相が少し違う。会社によっては忘年会を自粛するよう要請する会社もあるようだ。確実に第三波と呼べる状況にあり、感染者数の記録更新が続いている。こうなると、書き入れ時の居酒屋やレストランは商売あがったりだろう。クリスマスのイルミネーションにも、妙に心苦しさを感じてしまう▼新年の賀詞交歓会も中止の連絡が相次いでいる。この状況下で当然といえば当然だが、先日、自宅に卒業した大学から仰々しい封書が届いた。開けると「卒業25周年を祝う大同窓会開催」と書いてある。一瞬目を疑ったが、会場は都内ホテルの大宴会場。企画に時間とコストを要した手前、開催に踏み切るのだろうが、静かに封書をゴミ箱に置いた▼コロナがなければ同窓たちの老けた顔を拝みに行きたかった。しかしコロナがなければと考えること自体、ニューノーマルではないのだ。来年の今頃は、ワクチンや治療薬が普及していると信じたい。(20・11・30)

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