東京ではパラリンピックが終わった途端、秋本番のような涼しい日が続いている。スーパーでボジョレー・ヌーヴォーの申し込みが始まり、テレビショッピングでは来年のおせち料理を宣伝している。緊急事態宣言の最中ではあるが、季節は確実に進んでいる▼東京都に4回目の緊急事態宣言が発令された7月12日が、かなり前のように感じられる。8月22日までの期限は31日、9月12日と延長され、さらに月末まで延長される。今年、緊急事態宣言でもなく、まん延防止等重点措置でもない本当の“日常”は28日しかない▼ほとんどの希望者に新型コロナのワクチン接種が行き渡るとされるのは11月ごろ。今後の日常生活がどうなるのか気になっていたが、政府が緊急事態宣言下の地域でも行動制限を緩和していく方針との報道があった▼ワクチン接種証明書があれば県境をまたぐ移動を自粛要請の対象にせず、自治体の第三者認証を受けた飲食店はアルコールの提供が可能になるとしている。本当にそのような日々が訪れるのか今のところ半信半疑だが、今から議論が必要なことは確かだろう▼苦境が続く飲食業界だが、懇意にしているバーがワクチン・パスポートを発行して営業再開に踏み切った。感染対策をしながら徐々に日常を取り戻す試みがあってもいいのではないか。(21・9・10)

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