地球に住む生命の維持に欠かせない水。資源として利用できる水の量は有限だ。世界の人口が増えれば水の消費量も当然増える。その増加率は人口の増加率の約2倍になるという▼世界の人口は79億人強。増加ペースが落ちるとはいえ、2050年に約1・2倍の97億人に達すると予測されている。そうなると水の消費量は2・4倍。海水淡水化など技術革新で供給拡大が期待できる半面、気候変動による悪影響が懸念される▼人口減少が進む日本は別の水問題を抱える。水の使用量が減るため自治体が手がける水道事業の収益が悪化。老朽化した水道管などの設備・施設の更新も避けられない。こうした課題に対応するため宮城県が施設所有権を保持したまま運営権を民間に委ねるコンセッション方式がスタートした▼日本は有数のバーチャルウォーター(仮想水)輸入国でもある。日本が輸入している食料を生産するために、海外で使われている水は年約800億立方メートルとの試算があり、日本の1年間の水使用量に匹敵する▼シャンプーを固形化した「シャンプーバー」が静かなブームだそうだ。製造工程で水の使用量を大幅に削減できるなどのメリットがある。海外ブランドが先行しているが、国産品も登場している。水資源の問題を自分事として受け止める人は着実に増えている。(22・8・26)

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

セミナーイベント情報はこちら

精留塔の最新記事もっと見る