春分の日があった3連休、友人の車に同乗して伊勢神宮へお参りに行った。都心を午前9時に出発したが、東名高速で渋滞に引っかかり御殿場を抜けるのに2時間半かかった。天気が良く家族連れが出かけるのは予想できたが、友人によると「休日なのにトラックが意外に多い」とのこと▼長時間労働が常態化し慢性的なドライバー不足に悩む物流業界。だからこそ働き方改革が求められているはずなのだが、業界では「2024年問題」と呼ぶように関連法の適用が近づくなか危機感を強めているようだ▼ドライバーの時間外労働時間が年960時間と上限が設定される。ただ、時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満、2~6カ月平均で80時間以内といった規制は適用されない。他業種に比べて緩めなのは否めない▼実情に見合った設定なのだろうが、裏を返せば物流業界が置かれている環境はそれだけ厳しいということか。皮肉なことに労働時間の上限規制を守るために受注を減らせば会社の業績に影響し、ドライバーの収入減ひいては離職につながる恐れがあるという▼国や産業界ではサプライチェーン強靱化の議論が活発だが、問題は希少資源、半導体など物資の調達にとどまらない。モノを運ぶという基本がしっかりしないと成り立たないことを忘れてはいけない。(22・4・8)

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