東北地方を除いて相次ぎ梅雨明けが発表された。各地とも平年よりかなり早く、梅雨の期間は異例の短さ。エネルギーコストが高騰するなか、電気代削減のため節電要請に応えたいが、茹だるような暑さが続くここ数日だけみても、なかなかそうはいかない▼こちらも熱くなってきた。来月10日に投開票を迎える参院選で最大の焦点が物価高対策。日本の物価上昇率は各国より抑えられていると与党が強調すれば、野党は消費税の時限的な減税や廃止、新たな給付金支給を訴える。生活に直結する関心のあるテーマに話題が集中するのは、有権者を引きつける手段として理解できる▼国民の興味が増している話題といえば、持続可能な社会の実現に向けた取り組みもそうだろう。今やSDGsは小学校の授業にも登場するほどだが、一挙に広まったせいで、行動よりも言葉先行の感もある。SDGsを謳っていたはずのイベントに参加してみると、そこには屋台が立ち並び、ビールやそれに合う食べ物が堪能できた。出展者を募っていく段階で当初の目的は修正されていったのだという▼目先のことはもちろん大事だが、企業をはじめSDGsの取り組みは試行錯誤が続く。平行線をたどるに違いないが、このテーマでも長期的な視点に立って白熱した論争が聞きたいものである。(22・6・29)

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