節分に撒く豆は、北海道や東北地方のほか一部地域で落花生、それ以外は大豆が主流だという。関東と東北の境目くらいが、その主な境界線にあたる。落花生の生産量日本一の千葉県は大豆派である一方、大豆の主な産地である北海道と東北は落花生派だと考えれば、特産品との関係は薄いようだ▼節分の食に関するものは近年、環境問題や食糧問題で話題になる。大量の売れ残りが廃棄されフードロスが指摘された恵方巻きは、現在は受注生産が主流になったようだ。スーパーやコンビニなどでは予約受け付けの案内が掲示され、クリスマスケーキ同様、当日夜に山積みされることは減るのだろう▼一方、大豆の方は代替肉としての用途が広がっている。世界人口の増加や畜産に伴う環境負荷などを背景に注目され、ベジタリアンやヴィーガン向けだけでなく一般にも普及しつつある。世界の消費者の4人に1人が肉の消費量を削減しているという調査結果もある▼平安時代に宮中行事として、大晦日に旧年の厄や災難を祓い清める目的で行われた「追儺(ついな)」が、節分の際に豆撒きをする起源とされる。大豆にしても落花生にしても、撒いて鬼を払い無病息災を願うのは同じ。近づく春の足音がはっきり聞こえるよう、ここで猛威を振るうオミクロン鬼をしっかり退治したい。(22・2・3)

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