新型コロナウイルス流行にともなう生活スタイルの変化の一つとして自宅での食事の増加が挙げられる。料理が苦手でも冷凍食品は強い味方。目移りするぐらいメニューは豊富で、しかも美味しい。自炊するため新しい調理器具を購入した人もいるだろう▼ただ、調理器具は使い慣れていないと思わぬトラブルが発生する可能性がある。生活用品などの事故情報を収集・分析している製品評価技術基盤機構(NITE)の最新報告書では、コロナ禍における動向の変化として電気調理器具に注目している▼事故が増えたのはコーヒーメーカー・焙煎機と電気圧力鍋。いずれも使用機会が増えたことによって事故が発生しやすくなったのだろう。分かったつもりの自己流は火傷や発火などの原因になりかねない▼冬場で注意が必要なのはストーブやファンヒーター。毎年100件以上の事故が発生し、死亡事故も10件以上起こっているという。ここ数年、発生件数は減少傾向にあったが、2020年度は再び増加。やはり自宅で過ごす時間が増えたことが要因とみられる▼この季節、暖房器具の近くで洗濯物を乾かしたくなるが、高温部の接触だけでなく放射熱による過熱も火災につながる危険性がある。文字通り「火事後の火の用心」にならないよう今一度、火の取り扱いに気をつけたい。(22・1・21)

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