「科学がパンデミックから世界を救うと期待している」(85%)、「科学のおかげで2021年は20年よりもよい年となる」(87%)。3Mが17カ国を対象に行った科学に対する意識調査「ステート・オブ・サイエンス・インデックス」の結果である▼新型コロナウイルス感染症が拡大する状況下で行われた2回目の調査だったが、昨年よりも多くの人が科学に期待を寄せていることが明らかになっている。日本の調査結果でも「日常生活で科学は非常に重要な役割を担っている」と回答した人の割合が調査開始の18年に比べて2倍以上に拡大した▼個人用防護具の製造やワクチン開発など、この間の成果により科学の信頼度は高まり、日本では75%が「科学が重視されなければ、社会に悪影響が出る」と回答。昨年の調査から5ポイント増加した。グローバルでも気候変動など環境問題を解決するには、より科学的知見に沿った行動が必要との声が多かった▼日本の最先端技術、イノベーション力を示す絶好の機会である東京オリンピックが着々と進行している。異例づくしの中ではあるが、当初目的通りに日本の魅力を世界に示せているだろうか。想定から大幅に変わったものの、やはり観れば熱くなる。各競技の名場面とともに、後世に伝えたい科学技術の競演の場でもあって欲しい。(21・7・29)

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