10月は食品ロス削減月間。農林水産省の調査によると2017年度の食品ロス量は612万トンで、前年度に比べて31万トン減少した。このうち事業系は328万トンで、推計を始めた12年度以降で最少となった。啓発活動などの効果が出始めているのだろう▼600万トンと言われてもピンとこないかもしれないが、国民1人当たり年間約48キログラムとなり、これは年間1人当たりの米の消費量(約54キログラム)に相当するそうだ。改めて莫大な量であることを認識すると同時に、無駄をなくしていくことの難しさを感じる▼対策の一つとして始まっているのが賞味期限表示の大括り化。年月または10日単位など日まとめの表示にすることによって、在庫商品と納品する商品の賞味期限が同一となり廃棄商品が少なくなることが期待される▼小売り側からは年月日の表示が消費者の鮮度志向を助長していると少々耳の痛い意見があったようだ。月単位の表示にすることで保管スペースの縮小、荷役業務の効率化につながる効果もある▼閉店近くのスーパーでは賞味期限が近づいた総菜などが安売りされている。店側は売り切ってしまい、できるだけ損失を少なくしたいのだろう。こちらは半額シールなどを見ると嬉しくなってつい余計に買ってしまうことがあるが、食べ残しには十分気をつけたい。 (20・10・9)

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