2カ月続いた長い梅雨が明けつつある。九州、四国、中国、近畿に続き、東海、関東甲信、北陸など東日本でも梅雨明けの便りが届きそうだ。梅雨が明けると夏本番。今度はカンカン照りの猛暑日が続く。専門家は「今まで経験したことのない夏になる」と警鐘を鳴らす。マスク着用や運動不足で熱中症のリスクが高まるからだ▼7月は活発な梅雨前線から発生した豪雨が九州地方や岐阜県などに甚大な被害をもたらした。化学メーカーの工場も一時浸水するなど被害が出た。被災地は梅雨が明け、ようやく復興への足取りを強めようとしているが、ここでも新型コロナウイルスが行く手を阻もうとしている。神様はなんて意地悪なんだと天を仰ぎたくなる▼化学各社の決算発表が本格化しているがコロナの影響は大きく、赤字に陥る会社も少なくない。リーマンショックを超える未曾有の危機をどう乗り越えればいいのか。これまで様々な危機を乗り越えてきた化学産業にはチャンスに変える力があるはずだ。いまは土砂降りが続いているが、永遠に降り続ける雨はない。長い雨が止んだときに力を存分に発揮できるように▼コロナが収束しても別の新たな脅威が訪れないとも限らない。天を仰ぐだけでなく、腐らず懸命に努力しよう。意地悪な神様も手を差し伸べてくれると信じて。(20・8・3)

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