私たちの人生は選択の連続といわれている。今日のランチは何にするかといった日常的なことから、会社生活を終えた後にどうするかといった将来的なことまで。普段はあまり意識しないが、今年のゴールデンウイークは月、金を休むと10連休となれば、何をしようか多少は選択を意識したのではないか▼行動経済学では有名な「ジャムの法則」がある。お店に24種類のジャムを並べた場合と6種類を並べた場合を比較すると6種類の方が売れたという実験だ。お客にとって選択肢が多いことは良いはずなのに、多すぎると迷って選ぶこと自体をやめてしまう▼損得勘定でも不思議な傾向がみられる。今日1万円あげるか1年待って2万円あげるかと聞かれると、今日の1万円を選択する人が多い。目の前の楽しみ(価値)を優先してしまうことを現在バイアスと呼ぶらしい▼成功者は迷った時はつらい方を選べというが、強い人間ばかりではない。時間的な余裕(何をするか選択の余地がある)があるにもかかわらず、締め切り間近にならないと筆が動かない記者はたくさんいる▼残り3日となったゴールデンウイーク。特段何もしなかった人でも、あれだけあったはずの選択肢が少なくなったと悲しむ必要はない。まだ土日があるし、何よりお金を使いすぎなくて良かったと思えばいい。(22・5・6)

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